『いちばんわかりやすい北欧神話』を読んだ感想【レビュー】
『いちばんわかりやすい北欧神話』
著 杉原梨江子
北欧神話について知りたくて、読んでみました。
本の題名にあるように「いちばんわかりやすい」と思う。
構成
序章 北欧神話とは何か?
第1章 北欧神話の世界
第2章 北欧神話の登場人物
第3章 神々の事件簿
第4章 北欧神話の文化
第5章 神々の黄昏ラグナロク
見開き2ページ構成になっていて、読みやすい。気軽に読める。
第3章の神々の事件簿なんか、スクープ紙のような書き方。
学術的に学びたいという人には向いていないけど、北欧神話初心者の1冊目には適した本と言える。
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本を読んだ感想:北欧神話の独自性 メッセージは自然崇拝?
原本を読んだわけではないが、口承神話の割に物語の破綻がなく、良くできている物語だと思った。まるで現代の長編物語なような出来。
それと、不思議に思ったのが、エジプト文明の神話にしろメソポタミア文明の神話にしろ、その神話の目的は、その土地を納める神々を讃えることに集約される。
かの有名なギルガメッシュ叙事詩も、王たるギルガメッシュを讃えるストーリーになっている。
だが、この北欧神話では、神々を讃えることはしない。
神々は、ずる賢いし嫌な奴が多い。しかも、ラグナロク後では、大半の神々は死んでしまう。
私個人の勝手な解釈だが、北欧神話のメッセージは自然崇拝にあるのだと思う。
氷と炎がぶつかったことから原初の生命が宿り、ラグラロク後、神々が滅んでも、再び大地は緑を取り戻す。
北欧神話を読んでいると、個性的な神々のキャラクターに目が行きがちだが、全体を俯瞰してみると、そこには力強い自然の力が、描かれている。
こういうダイナミックな自然崇拝を描いた神話って、あまりないような気がする。(私が読んだことないだけかもしれないけど。)
つまり何が言いたいかっていうと、北欧神話ってすごいなってこと!!
『いちばんわかりやすい 北欧神話」
一番わかりやすいから、読んでみて!